NTG's Soulful Tracks


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Category: 2006-2007シーズン   Tags: ---

もう一度当日の行動を振り返ってみようかと。。

FDさんより、いろいろ写真を提供してもらったので、
それにあわせて再度2/10の行動を振り返ってみようかと思います。
全ての写真はFDのHiroさんに撮影していただきました。ありがとうございます。



先週土曜日の八方BCというか白馬辺りの山はどこも危険な状態だった。
八方南面、裏天狗、天狗原などでもバサバサと雪崩れたという報告を聞く。

先週一週間の天気を見てみると、月曜から土曜までずっと気温が高く推移している。
当然日中雪が緩みそれが固まり、その上に風成雪などが乗り危険な状態になることは明らか。
2/10はまさにそんな感じの積層構造でした。
積雪深35cmのところにざくざくした粗目が中途半端に固まった層が1cmほどの厚みである。
その上に少しあられ交じりの層があり、その上10cmはしまり雪。
その上に当日降ってた雪と風で堆積した雪が乗っている状態。
相方が2/8(木)にやはり押出沢で穴掘りした際にも、積雪深31cmのところに同じ層を見ている。
7日の夕方から白馬の天気は崩れたということなので、5,6,7日あたりの高気温でできた層か。

でピットチェックの状況。
押出沢上部の北面(沢ボトムと同じ面)で深さ約1mで行う。
NTGが行った結果は上に乗った風成雪+当日の降雪部分15cmの層は、
手首では破断せずつぶれていく。
でひじ4で35cmのザラメ層とその上のしまり雪の層で破断。
雪を見てみると破断した層にあられが含まれていてぽろぽろ崩れる感じ。
隣でチェックをしていたFDのSuzukiさん・Hiroさんの状況は、
手首4で風成雪の層がずれたらしい。その後ひじでやはり35cmのザラメ層で破断。
こちらはそのザラメ層の1cmぐらいが板みたいにはがれていた。

ここで一つ教訓。
次の日の雨飾山キャンプ場で穴掘りしたときにTAKEOさんからも指摘されたが、
2,3人で穴掘りするなら、同じ穴でチェックするよりも、面を変えてチェックしたほうが効果的。
う~ん当然のことである。
雪崩リスクマネジメントでも、1箇所で大掛かりなチェックやるよりも、少し簡素でも
複数箇所でチェックしたほうが効果的と書いてある。
本を読んでるときは「そりゃそうだよ。」とか思っていたが意外とできないものである。
今回の場合だと、北面と、滑った後に退避する北東面で掘るのがより効果的だっただろう。

で自分らの判断ではeasyに近いmoderateと判断。
便所小屋を出るときにもPONちゃん、TAKEOさんにも指摘されていたように、
急斜面はノール地形は避け、沢ボトム通しで行くことに。スノーボードは当て込み厳禁笑

pit
穴掘り中

そして滑走。
まずビデオ撮影のためスノーボードのKanekoさんがドロップ。
沢ボトムは比較的安定している様子。結構深めのターンをしていたが崩れない。
しかしガラガラ側の尾根に乗り上げようとしたときに、足元から破断して10mくらい雪崩発生。
北東向きの面だ。(今回の雪崩の発生点も北東面)
次にスキーでHiroさんドロップ。
こちらも沢ボトムは崩れないがやはり尾根に乗り上げるときに切れる感じだそう。
そして尾根上の林のなかで撮影準備をしていると、周りはクラックがいっぱい走っていたそう汗
状況から、残り4人は同じ位置に入って待機するのは危険と判断し、
カメラ位置よりさらに下に下りて、尾根則面の斜度が緩いところを狙って尾根上に上がることに。
そしてNTGがドロップ。
表面はやはり強風ですこし叩かれ気味だが、よく走る八方特有のしまりパウダーでいい感じ。
やはり沢ボトムは崩れることはない。
いけると思いスピードを上げていくが、丁度カメラ前を通過するときに、
自分のフォールラインに向かって北東面の尾根からボトムに向けてドロドロと雪崩発生。
おそらくHiroさん達の周りのクラックが切れたのだろう。
前2人の滑走の衝撃、待機している重み、自分の滑走の衝撃により発生したものと思われる。
一旦スピードを落とし雪崩が止まった後に一気にデブリを突破して尾根に乗り上げる。
自分が乗り上げた面は崩れることはなかった。

ntg1
押出沢ボトム通しということでNTGドロップ

ntg2
カメラ前を通過中。この辺りで前方に異変を発見

ntg3
うぉぉぉぃぃぃ!フォールラインに雪崩れてくるぞーーー!

ntg4
そして板を横に向けはじめる。何気にスプレー上がっていい感じ笑


次にスノーボードSuzukiさんが滑走。
慎重にボトム通しで滑り、私の少し下で待機。
則面から雪崩後のボトムはカリカリで、Suzukiさんがターンをきるとガリガリと音を立てていた。

その後NTG、Suzukiさんの位置辺りで合流すべく、カメラ位置から2人が移動開始。
則面が崩れないよう樹の間を慎重に降りてきていると、Hiroさんの足元から則面が破断。
ドロドロと重い雪崩に足をとられ15mくらいHiroさんが流される。
埋まりはしなかったがやはり雪崩のパワーは強力で立ち上がれなかったそう。
無事脱出してSuzukiさんの下に入る。
KBTさん、KRSさんがトライアングル側の尾根を絡めて到着。
トライアングル側は雪のつきかたが少なく安定している様子。

また一つ教訓
カメラ位置まで移動した二人と同じ側は安定していないのが明らか。
場所をずらしたとはいえ同じ面にのってはその面にかかる力は増え安定度は更に低下する。
トライアングル側のほうが安定しているのは雪の着き方を見るだけでも明らかだった。
滑走中にもっと冷静に判断できていればそちら側に退避しただろう。
どんな状況にあっても冷静になることが一番大事か。(なかなかできないけどね。。。(^ω^;))

その後相談した結果、トライアングル側の尾根に退避しようと言う事に。
まだカメラ位置付近にいたKanekoさんにボトムを越えて対岸にわたってもらう。
このあたりで上部ノールにわらわらと人影が。
人影はどんどん増え、ノール付近に集中している。かなりの人数。
しかもこのノールの下を覗くべく際までせり出してきている。
あとからドロップしたKBTさんの話だと某ショップツアーの20人くらいの団体がきていたとの事。
しかもこのノールはボトムに落ち込んでいる北東向きの面になっている。
そう、さっきからバッサバサ破断しているガラガラ側尾根則面と同じ向きだ。
オイオイアブネーヨ(-ω-;)とか思いながらこの後の相談をして目を離していたら、、、、、

「キタゾーーー!!!!!」
「雪崩れたーー!!!雪崩、雪崩!!!!!」
「アバラーンチ!、アバラーンチ!」

との叫び声。
上をみると既にもうもうとした雪煙があがっておりあたりが白くなっている。
「やべぇっ!」と思うもなにもできず轟音とともに目の前を通過していき、
Hiroさんが待機している場所の10mほどしたで止まった。
慌てて人数を確認。良かった全員居る。無事だ。とりあえず一安心。
Hiroさんは一番沢ボトムに近い場所におり、後で話を聞いたら「一度はあきらめた」と言っていた。

また、一つ教訓。
待機するなら沢底からはできるだけ離れろ。可能なら尾根上まで乗り上げたほうが良い。
昨シーズン大黒沢入った時も待機している小尾根の脇を今回以上の雪崩が脇を通過。
そのときはほんと自分たちまでの距離が2,3mしかなかったと思う。
雪崩の直前、少し沢底寄にいた人にPONちゃんが「もっと上がって!」、と何度も注意していた。
尾根に上がっていなかったらもしかしたら巻き込まれていたかもという状況に肝を冷やした。
なので、休憩、待機する際は確実に雪崩地形を避けるというセオリーを徹底して守らないと。。

nadarezenkei
トライアングル側尾根より雪崩全景

nadarezenkei2
Xのノール上からドロップせず、脇を回りこんでA地点からドロップ
X地点がノール上。ここに20人パーティが乗っていてその下から破断。
Hがカメラ位置ここに2人待機、KがKBTさん達の待機位置
N、SがNTG、Suzukiさんの待機位置。
H2がカメラ位置から移動後のHiroさんの待機位置
黒線がNTGが滑走中に前方で発生した雪崩破断面。線は雪崩た方向


nadaresoko
雪崩末端


皆さんの無事を確認して上を見ると、雪崩は例の北東面ノール下から発生。
確認はできていないが、おそらく例のザラメ層のところで破断したと思われる。
トリガーは先にドロップしようとしたガイドの滑りの衝撃、
およびノール上に20人も乗った重みに斜面が耐え切れなくなった為と思われる。
いずれにせよ自然発生でないことはあきらかだ。
しばらくして先に滑り出したと思われるガイドが到着。
「大丈夫ですか~」だって。。。。怒オイオイ(-ω-;)

白馬のショップだからそれまでの天候などは俺らよりも把握しているのではないか?
土曜までの状態と当日の状況だと、急斜面、ノール地形は危険なのはピット掘らずとも明らか。
ブルークリフのガイド陣はその辺いち早く察知していたし、
我々ゲストではないパーティーにも親切に警告してくれたぞ!?
それに先にドロップしている俺らが居るのは分っていたはず。
それなのに。。。。それなのに。。。。

まぁガイドの質についてはいろいろあるようですしね。。。。
その辺のスキルについては指摘できるような立場ではないのでその話題は避けますが。。

こんな大自然のなかで喧嘩したり暴言を吐いたりはしたくないので、
そのガイドさんに一言挨拶して、今後の自分らのルートを伝え、気をつけてもらうようにする。
というかこんなの伝えなくても判断してもらいたいのだけど。。。

また教訓
自分らも同じように雪崩のトリガーになりうる。
集団になると、その心理というのはイケイケになりがち。
休憩、待機時にはその周囲の地形に細心の注意を払おう。
雪庇、ノールに必要以上に近づいたりすると、当然崩壊の恐れ有り。
下手すリャ大日岳の事故みたいになりえる。
周囲の状況に充分配慮しないと、ただ事ではすまされない。

その後はトライアングル側尾根沿いに高度をすこし落とし、押出沢の喉付近からボトムに入る。
最初はガラガラ側の尾根(バッサリ切れた)を登り返し、ガラガラを滑ろうという予定だったが、
この状況だと危険と判断し、そのまま下山した。
南股入を渡渉した後、トライアングル上部では自然発生の雪崩がバンバン起きていました。

minamimatairi
渡渉を終えてほっと一息

振り返ると、ピットを掘ったときに勇気ある撤退と言う事も当然選択肢としてあった。
しかしやはり「せっかく来たんだし。。。」、「登り返すのやだなぁ。。。」という思考や、
「大丈夫でしょ。。。」という根拠のない自信が滑りにGoをかけた。
自分達トリガーの小規模雪崩、他パーティーによる大規模雪崩が発生するも、
誰一人として怪我せず無事だったことは結果的に見ればOKかもしれないが、
一歩間違えていたら大惨事だった。
また積雪が少ない今年だからこの程度で済んだのだろう。
雪崩リスクマネジメントにもこういったヒューマンファクターが非常に重要として説明している。
今回の一連の状況は全て人為的思考がなんらかのトリガーとなっており発生している。
今回は自分達が被害者側(実際には被害はなかったが)だったが、
いつ自分が加害者側になるとも限らない。
そうならないためにも、この2/10の行動をよい教訓として今後より慎重に行動して行こうと思う。

以上、つたない考察ですが。。。。

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Comments

Edit
とても参考になりました。今週の天気も目まぐるしく変わりそうです。こうなると地元ではない我々には、判断がなかなか難しいですね。
Edit
自分はその日ブルクリワンデーでしたが、ツアー後TAKIさん事務所に寄ったときに話を聞きました。とにかく怪我も何もなくてよかったですな。この情報もあったんで次の日山に入るのはやめました。なかなか難しいことだけどお互い気をつけて遊びましょうね。
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みやじさん>
ほんと今週末も天気めまぐるしいですね。
今日関東はぬるかったですねぇ。
白馬は標高高い所は雪だったみたいです。(スノーナビ情報)
こうなるとリスク高いですね。お互い気をつけて山滑り楽しみましょう。

YZWさん>
ワンデーでてたんですか!てことは裏天狗いったのかな?
裏天狗もバサバサいったみたいですね。
ほんと難しいですが、お互い気をつけて遊びましょう!


予定はまだ未定ですが、今週末も白馬入りしますよ!
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大変勉強になりました。
初心者ですので、こういう情報をどんどん吸収していこうとおもいます。
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748の投稿者はayaでした。
名乗らずすみません。
またお邪魔します。
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ayaさんコメントありがとうございます。
少しでもお役に立てたみたいで、書いてよかったです。
私もまだまだ初心者ですので、まだまだ修行あるのみです笑


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